海外ミステリファンを自称していて、その中でいちばん好きな作品は何か、
と問われれば、
おそらくワタクシは、「ウィングフィールドのフロスト警部シリーズ」と答える。
そのくらい、この下品なおじさん刑事を描いた作品がスキです。
文庫一冊がけっこうなお値段の分厚い上下巻ですが、
今回もあっという間に読んでしまいました。
相変わらずスピード感がいい、ごちゃごちゃ感がいい、まぬけなところも鋭いところも。
主役がいいけど、主役の周囲の個性的すぎる脇役がいい。
そして、いつもそうなんだけど、フロスト警部がなんだかかわいそうになってくるんだよね。
ワタクシも、日々「忙しい忙しい」とぼやきながら仕事していますが、
フロスト警部の忙しさを見ていると、
ワタクシレベルで「忙しい」なんて言っちゃいけないような気になってくる。
TVドラマ化されているので、フロスト警部やマレット警視がアタマに浮かんでくるのは自分でも理解できる。
でもおもしろいのが、今回たっくさん出てくる(人数がね)売春婦のお姉さま方。
彼女たちもワタクシの脳内ではかなりはっきりと映像化されてた。
映像の効果ってすごいものだ、と、あらためて思う。
まだまだずっとずっと、フロスト警部と出会いたいのだけれど、
ウィングフィールド氏は亡くなってしまったので、未訳はあと一作かな?
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映画の主演が二宮くんだったので、
映画を先にしようか、本を先にしようかと悩みましたが、
結局本を選びました。
そのあと映画を見るつもりだったのですが、肝腎な部分が映画化で改変されていることを知り、
いまだに映画を見ていません。
そういえば、昨日TVでやってたな。
見たい気がするけれど、見ないまま終わるような気もする。
小説は、すばらしいです。
相変わらず、細かい部分のプロットまで練られていて。
ワタクシは、基本、お風呂で本を読むのですが、
これはお風呂時間だけでは続きを待てず、
陸でも読んでおりました(笑)
著者ご本人が映像化を意識して執筆なさった作品とか。
確かに、随所に映像で見たい部分が出てきて、
しかたないから自分の脳内で映像化していました。
そういう意味では、やっぱり映画も見た方がいいのかな。
改変部は気にしないようにして。
この作品世界は、清水玲子さんの「秘密」の世界に近い。
両方とも近未来に設定されているので、もしかしたら同じ世界なのかも。
こういう時代が来るんだろうなあ。
何もかもがDNAで管理される、管理側から見たら超ラクな世界に。
技術の進歩はありがたい半面、微妙なことも起こす。
そんなことを考えながら、一気読みしたのでした。
それにしても、最後の2ページのすみっこをジョゼフィンお嬢さんに破られたときは焦った!
(ワタクシが本にかまけていたので、本を持ってくればかまってもらえると思い、
彼女はワタクシのところに読みかけの「プラチナデータ」をくわえて運んできたのでした)
切れ端を見つけ、セロテープでつなぎあわせて読了。
これは仕事上必要となって読んだものですが、
そういうしばりで読んだものにしては、いい本だと思います。
著者は、あの有名なサッカーの日本代表チームのゴールキーパー。
ワタクシは、タレント本や有名スポーツ選手が書いたという本を読むことはほとんどありません。
だから、プライベートオンリーだと、この本には出会わなかったと思う。
彼はプロスポーツ選手なので、もちろんスポーツに主眼を置いた内容ですが、
その心構えはビジネスにも充分通用するなあ、と。
準備とは、それだけ大切なものなのです。
ちなみに、ワタクシは特段サッカーがスキではありません。
むしろ好きなのは野球。
サッカーは、国際試合くらいしか見ないので、詳しいルールも知りません。
でも、この本はそれでも楽しめます、というか、ためになります。
サッカーの本ではないので。
これは、人生哲学の本です。
ビジネスパーソン1年生や、就職活動中の学生さんにおすすめします。
言わずと知れた東野圭吾氏の、言わずと知れた名作。
東野作品の中で、いちばん最初に読んだものです。
ワタクシ、東野作品に触れるまで、ミステリは海外モノ専門でした。
国内ものを読んだことがなかったワケではないのですが、
どうも、継続して読みたくなる肌の合う作家さんに出会えなくて。
東野氏は、この作品以前にとっくに有名な方でありましたが、
ワタクシは国内もの食わず嫌い状態だったので、全く食指が動かず。
きっかけは、めずらしくも映画だったのです。
この作品は、いわゆるガリレオシリーズの一作。
映像化作品としては、福山雅治氏の当たり役、湯川教授ものです。
TVでやっていた福山ガリレオのこの作品を見て、
「これ、おもしろそう」
と思ったのです。
福山氏については、特段ファンでもなくキライでもなく、というワタクシですので、
純粋に、作品の仕上がりがよかった、ということですね。
それで、読んでみて、
もちろん、映像化にあたっての変更部分などもありましたが、
原作は失望させないだけの作品でした。
以下、ネタばれありになるかもしれません。
犯人は最初からわかっていて、そのトリックがわからない。
だからトリックがつまらなければ、ハナシがつまらない。
東野ミステリ作品は、そこがうまい。
犯人と湯川教授との人間関係も、作品の厚みのひとつ。
これまで読んできたミステリで、警察や探偵側と犯人が知り合い、というプロットは、
よほど筋がうまくないと、結果はつまらない。
この作品では、学生時代の友人という、
下手したら「あーあ」となりかねない人間関係なのに、
東野氏はうまい。
というワケで、国内ものミステリを見直すきっかけとなったこの作品は、
ミステリ好きにはオススメしたい一作です。
有名作家作品だから。
権威ある賞の受賞作品だから。
有名俳優で有名な作品の原作だから。
そんな理由で読んでいないという方がいらっしゃいませんか。
つまり、かつてのワタクシ。
もったいない。
読んでいない理由がそんな程度なのであれば、
ご一読を!
以下、ネタばれが入るかもしれません。
スピード感があって、読んでいる途中はおもしろかったんだけど、
結末が見えてくると、仕掛けが大がかりすぎるのと、
あまりにも陳腐なネタが仕込んであるのとで、
読了後の感想としては、ザンネン感がたっぷり。
いろいろと派手すぎるんだよね。
仕掛けもトリックもアクションも。
だから映画向きかもしれないな。
作者は、映画化のハナシがかかるのを期待して、書いたのかも。
いままでの腰を据えたカンジのミステリが秀作ぞろいだっただけに、
正直、個人的な感想としては残念で残念で。
いままでのシリーズに戻ってもいいから、ミステリを書いてほしいな。